つよポタミア

自転車関係の雑記帳です。

Mt.富士ヒルクライムのヒルクライム偏差値

以前Mt.富士ヒルクライムのコース(距離24km、獲得標高1255m)であるスバルラインを2時間25分(富士山トリプルクライム)で登ったことがあるが、これは偏差値35である。つまり相対的に極めて遅い。

 

**************************************************************

偏差値やタイム等の詳細は、このページの一番下を参照のこと。

**************************************************************

 

以下の図表は、第11回Mt.富士ヒルクライム大会の男子年代別総合及び主催者選抜クラスのリザルトを整理・分析したものである(オープン参加、DNS、DNFを除く)。

 

図1 タイムの分布

f:id:TofuD:20140828110723p:plain

 出所:筆者作成。データは「第11回Mt.富士ヒルクライムHP」より入手(2014年8月閲覧、以下同じ) 。基本統計量は文末(1)に記載。

 

タイム(分)はOO分以上OO分未満となる。サンプル数は5648である。なお、レース開始直後の渋滞、ドラフティングの有無、脇腹痛でペースダウン、ママチャリで最後尾から捲る等のことはリザルトからは読み取れないので無視する。

 

ブロンズの目安となる90分から、プラスマイナス10分の範囲に比較的多くの参加者が集中している。80分以上100分未満の参加者は2088人であり、完走した人の約37%を占めている。次にタイムからの偏差値を表にまとめる。

 

表1 Mt.富士ヒルクライム偏差値

偏差値 タイム 上位からの位置 備考
75 1:05:47 1% ゴールド 1:05:00
70 1:10:41 2%  
65 1:16:28 7% シルバー 1:15:00
60 1:23:14 16%  
55 1:31:19 31% ブロンズ 1:30:00
50 1:41:11 50%  
45 1:53:23 69%  
40 2:08:48 84%  
35 2:29:13 93%  
30 2:57:07 98%  
25 3:38:11 99%  

出所:筆者作成

 

ゴールドは上位1%以内、シルバーは上位約6%以内、ブロンズは上位約30%以内となる。特にシルバーからはかなりハードルが高くなると思われる。

 

これだけでは面白くないので、富士ヒル完走者のパワーウェイトレシオを推計した。

 

図2 Mt.富士ヒルクライム参加者の推定PWR(60分)分布

f:id:TofuD:20140828110732p:plain

 出所:筆者作成(推計方法は文末(2)に記載)

 

グラフ上では少ししか見えないが、5.2-5.4W/kgが11人、5.0-5.2W/kgが13人、4.8-5.0W/kgが6人となっている。 この辺がホビーレーサーとしてのフィジカルの限界なのだろう。ポテンシャルで5.5W/kg以上が期待できる若い人はプロを目指してもいいのではないか。

 

このPWRの推計が実態と大きくかけ離れていないとするならば、2.6W/kg以上2.8W/kg未満の層が一番多いのは意外であった。また3.0W/kg以上の人が全体の約42%しかいなく、思ったより少ない印象を受ける。4.0W/kg以上となると全体の6.4%まで絞られる。シルバーレベルにまでフィジカルを開発するのは一筋縄ではいかないなと感じる。次にタイムと60分PWRの関係を表2に示す。

 

表2 タイムと推定PWR(60分)の関係 

偏差値 タイム 推定PWR
75 1:05:47 4.8
70 1:10:41 4.3
65 1:16:28 3.9
60 1:23:14 3.5
55 1:31:19 3.1
50 1:41:11 2.8
45 1:53:23 2.4
40 2:08:48 2.1
35 2:29:13 1.8
30 2:57:07 1.5
25 3:38:11 1.2

出所:筆者作成

 

それぞれのカラーを手に入れるために、ゴールドは5.0W/kg近く、シルバーは4.0W/kg以上、ブロンズは少なくとも3.0W/kgが必要と考えられる。

 

ヤビツタイムの2倍が富士ヒルのタイムになると言われているが、計算上どうだろうか。

 

表3 ヤビツとMt.富士ヒルクライムのタイム換算表

推定PWR ヤビツタイム 富士ヒルタイム
5.0 31:20 1:03:25
4.5 34:00 1:09:00
4.0 37:30 1:15:50
3.5 41:55 1:24:40
3.0 48:00 1:37:20
2.5 57:00 1:55:30
2.0 1:10:30 2:24:00

出所:筆者作成。「ヤビツ峠のヒルクライム偏差値」のデータよりPWR(60分)を推定している。

 

ヤビツ峠(名古木スタート)は距離11.7km、獲得標高659mなのに対し、富士ヒルは距離24km、獲得標高1255mとおおむね2倍となっている。タイムも約2倍となった。ブロンズを取るためにはヤビツ峠45分がラインとなるだろう。

 

次のエントリでは、得られた結果から貧脚および剛脚の定義を考える。

 → 「ホビーレーサーの剛脚ピラミッド

 

関連記事

ヤビツ峠のヒルクライム偏差値

全日本マウンテンサイクリングin乗鞍のマウンテンサイクリング偏差値

あざみラインのヒルクライム偏差値

  

*********************************************************************

(1)基本統計量

変数 平均 最小値 中央値 最大値 最頻値 標準偏差
タイム 1:46:24 1:01:30 1:41:24 4:17:06 1:27:48 25:30
60分PWR(W/kg) 2.90 1.18 2.87 5.25 3.36 0.68

平均パワーとはレース時間中のパワーである。タイムの算出にあたっては、平均時速の小数点第2位を切り捨てた数値が基になっている。そのため若干の誤差が生じている。

 

(2)PWRの推計方法は「ヒルクライム計算」というサイトで、参加者全員を体重を63kg、機材等を9kgとみなし、タイムからPWRを求める。ここで算出されたものから60分PWRとなるように補正をかけた。

 

60分FTPが時間の経過とともにどのくらい逓減していくかという先行研究を見つけられなかったので、1時間につき60分FTPが5%ずつ減少するという仮定を用いた。例えば、完走タイムが1時間30分の人は、レース時間でのPWRから2.5%ほど上乗せした数値が60分PWRとなっている。

 

ちなみにじてトレにはCP180分がCP60分の92.5%という記述があったので参考にしている。以上のように2重3重にズレが生じているかもしれない、極めてラフな推計ではある。

 

 

表3 富士ヒル偏差値詳細(2014年基準)

偏差値 タイム 推定PWR(60分) 備考
80 61:30 5.23 上位0.14%程度
79 62:18 5.14  
78 63:12 5.04  
77 64.00 4.95  
76 64:48 4.86 ゴールド65分
75 65:48 4.79  
74 66:42 4.69  
73 67:42 4.60  
72 68:36 4.52  
71 69:42 4.43  
70 70:42 4.36  
69 71:48 4.28  
68 72:54 4.19  
67 74:00 4.11  
66 75.12 4.03 シルバー75分
65 76.24 3.96  
64 77:48 3.87  
63 79:06 3.79  
62 80:24 3.73  
61 81:48 3.65  
60 83.12 3.58  
59 84:42 3.50  
58 86:24 3.42  
57 88:00 3.35  
56 89:36 3.28 ブロンズ90分
55 91:18 3.21  
54 93:06 3.14  
53 94.54 3.07  
52 97:00 3.00  
51 99:06 2.93  
50 101:12 2.88  
49 103:24 2.81  
48 105:36 2.75  
47 108:06 2.68  
46 110:48 2.61  
45 113:24 2.55  
44 116:06 2.49  
43 119:00 2.41  
42 122:00 2.35  
41 125:12 2.29  
40 128:48 2.22  
39 132:30 2.17  
38 136:12 2.12  
37 140:12 2.05  
36 144:24 1.99  
35 149:12 1.94  
34 154:18 1.87  
33 159:30 1.81  
32 164:54 1.75  
31 170:48 1.70  
30 177:18 1.64  
29 184:36 1.58  
28 192:00 1.53 制限時間195分
27 200:00 1.47  
26 208:42 1.41  
25 218:12 1.37  

 出所:筆者作成

 

関連記事:

Mt.富士ヒルクライムでブロンズ90分を切るための攻略法

ペダリング効率を簡単に上げる方法

家庭におけるロードバイクに起因するトラブル