つよポタミア

自転車関係などの雑記帳です。

コロナ、サイクリング、eスポーツ

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図 amazonの商品ページ

 

コロナウイルスの感染拡大により仕事や学業のみならず、自転車活動の変容も迫られているこのご時世である。今回はコロナ蔓延から自転車関連の展望を想像した。想像というよりも妄想に近いため、根拠はない。

 

ロックダウン下におけるサイクリング

 

都市封鎖が起こっても、外出を法的に罰することはできない(2020.3.27時点)。つまり、サイクリングは可能である。

 

朝のワイドショーで厚切りジェイソンが「アメリカ人は自分の身を守れるかどうかを気にするが、日本人は周りからどう思われるかを気にする傾向にある」旨の発言をしていた。そこで周囲を気にするという観点や走りの動機付けの観点などから、いくつか気になる点を挙げる。

 

①通常のサイクリングやトレーニン

サイクリング中に感染リスクが全くないとは言わないが、単独であればあまり他者と接触しない。海外では自転車通勤が推奨されるくらいなので、むしろ移動手段や体を動かす手段として望ましい可能性すらある。強いて言えば、コンビニ休憩中に感染リスクがある。基本は屋外でのサイクリング・練習になるため、普段通りに走るとしか言いようがない。

 

②グループライド

やや注意する必要がある。後でグループの1人が感染源になっていたことが判明した場合、公開されたSNSで練習相手を募っていたりすると、正義を振りかざした第三者から叩かれる可能性がある。

 

また、外出禁止の風潮が強くなった場合、お揃いのジャージで集団走をすると、非国民としてネットで叩かれる可能性も出てくる。閉じられたグループにおいても、都市部での自転車サークルは大きく集まるような動きを自粛し始めている。

 

③心肺機能の低下

コロナに感染すると肺の機能が一時的に落ちそうな気がする。どうも症状の個人差が激しいようなので「NHKスペシャル」などで科学的な見解をチェックしていくしかないだろう。

 

④モチベーションの維持

お金を払って多くの人がイベントに参加することが約束されている状況というのは、練習のやる気を高める上ではとても重要なことである。

 

JBCF主催の群馬や広島などはすでに中止の発表がなされている。参加者1万人規模のMt.富士ヒルクライムも現状では厳しいかもしれない。レースやイベントを設定することで練習のモチベーションを保つタイプの人は、なかなか難しい状態にある。

 

しかし、イベントがあってもなくても道路を使えるのであれば、大会実施の有無に関わらず記録を狙いに行く、という考え方もある。

 

すでに中止になったマラソン大会などで、個人でそのコースを走る人が散見されている。自分が出した記録に公式も非公式もないという発想であれば、それほどモチベーションを失わずにトレーニングを積むことも可能だろう。大会にお膳立てしてもらわなくても、走る人は走る。

 

コロナが自転車業界にとって追い風?

 

オーバーシュートしたらロードバイクが売れる。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな理屈だが、実際に自転車通勤に切り替えている人が増えているという*1*2

 

コロナに感染したくない
→ 人が密集した空間を避ける
→ 電車に乗らない
→ 自動車か自転車通勤に切り替える
→ 都市部に車の駐車スペースはない
→ スポーツタイプの自転車が売れる
→ 自転車の競技人口が増える(?)

 

「自転車通勤で感染拡大を防ごう!」みたいなキャッチコピーがそのうち登場するかもしれないが、私は広告代理店の者ではない。

 

売れるのはクロスバイクかもしれないし、eバイクかもしれない。あるいはレンタサイクルのサービスが流行するかもしれない。利便性と健康意識と趣味感覚に訴求しうるのは、やはりロードバイクであろう。自転車に全く興味がない人から見ると、ただの自転車が50万円100万円もするということ自体ありえない。ということは、比較的低価格のカーボンロードの需要が増大すると考えられる。比較的低価格、といっても10万20万はするのだが。

 

都市部で自転車通勤が増えると、交通マナーの悪さが目立ったり事故のトラブルが増えたりするだろう。これらは課題として置いといて、増えた自転車人口をどう自転車競技の盛り上げと結び付けていくか。これは自転車競技に関わる団体の腕の見せ所である。

 

案としてはすでに出ているだろうが1つは仮想空間の利用である。ところで、株式会社ポケモンの企業理念に「ポケモンという存在を通して、現実世界と仮想世界の両方を豊かにすること」とある。

 

ポケモンにはポケモンという豊かな仮想世界があるが、自転車の仮想世界として代表的なものにZwiftがある。JBCFのレースは軒並み中止になりそうだが、Zwiftにお願いするか何かして、修善寺や群馬CSCのようなコースを作ってもらう。あるいはそのようなコースレイアウトを利用することも考えられる。

 

ちなみに、Zwiftとはインドアでのオンラインサイクリングやトレーニングを提供しているサービスである(月額2000円程度)。実施するには、スマートトレーナーまたはパワーメーターが装着された自転車(とローラー台)などが必要である。スマホアプリからイベントの確認等もできる(下図)。

 

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図 スマホでのZwiftアプリの表示画面

 

「JBCF Zwiftクラシック」のようなテストイベントを行うなどして、プロやハイアマチュア向けにとりあえずレースをしてもらう。しばらくは400Wのえげつないスタートダッシュが見物だろう(結局は外国人勢が強いことがわかるだけかもしれないが)。選手ライセンスやアテンダント掲示は全てweb上のやり取りで完結させる。youtubeで生放送をして、専門家がしっかり解説を行うことも重要だ。

 

ある種のeスポーツになるため、ローリング落車等は発生しないので安全性は極めて高い(ただし、実走で必要な技術は順位にあまり反映されないのが難点)。バーチャル空間を使用したレースは物珍しさからニュース等に取り上げられる可能性があるので、ちょっとした広告宣伝にもなり得る。

 

もう1つチャンスがあるとしたら、コロナ禍が一段落するとゲーム障害の問題が顕在化してくることにある。「ゲームばっかりしていないで外で遊びなさい」などの注意が全く通用しない子どもが増える(すでに久里浜医療センターはパンクしている)。任天堂が「みまもりswitch」のCMを保護者向けにバンバン流しているが、これは任天堂が「ゲーム障害の子どもがこれから増えることが予想されます」と暗に言っているようなものである。


ゲーム依存にはゲームで解決するというのも1つの考え方である。インドアでも十分運動になるのはトレッドミル、ローラー台、筋トレ、ビリーズブートキャンプのどれかである。この中で最もeスポーツとの親和性が高いのはどれだろう。

 

eスポーツと自転車を組み合わせたzwiftは、現時点ではおじさん(またはお姉さん)の遊びみたいになっているところがあるが、これを子どもの遊びとして利用しやすい環境を整える。廉価版のスマートローラーや自転車が必要なのがネックではある。

 

なお、自転車とは全く関係ないが、ある仮想現実における架空のキャラクターを愚息が発案した(下図)。

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図 たねOOOン(「いらすとや」より筆者作成)

サイクリストの欲求ピラミッド

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図 マズローの欲求ピラミッド

 

マズローの欲求階層説にみるサイクリストの欲求

 

マズローの欲求階層説(上図)とは低次の欲求を満たすと高次の欲求が表れてくるという説である。

自転車という趣味って、マズローの5段階の欲求の、上の3つに対応している気がするんですよ。しかも、上位に行くほど自転車との相性が良くなる。たとえば、社会欲求や承認欲求は、クラブやチームに所属したりレースで結果を出したりすれば満たされますよね。

 一番重要なのが、最上段の欲求である「自己実現の欲求」です。自転車は、これとの相性がばっちりなのです。トレーニングをし、レースに出る。あるいは、苦しい思いをしながらヒルクライムや長距離サイクリングに挑戦する。こういう行動のモチベーションは、「なりたい自分になる」という、自己実現の欲求の表れに他なりません。

 出所:栗村修の”輪”生相談<130> 25歳男性「自転車って何が楽しいんでしょうか」

 

①非日常的な興奮や高揚感を味わい、現実の厭なことから逃避する。

②仲間たちと気軽な会話を楽しみ、つながりを感じ、仲間から認められる。

③技術やレベルを上げたり、戦果を挙げたりすることで、達成感や自己効力感を味わう。

出所:岡田尊司(2014)『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』

 

栗村(2018)が指摘するように自転車は高次の欲求と相性が良いが、一方で、サイクリング中には低次の欲求の欠落がしばしば起こる。岡田(2014)の指摘はオンラインゲームに関する記述だが、自転車にも大いに当てはまるところがあるのではないだろうか。

 

大まかなところではこれ以上の説明は必要ないかもしれないが、1つ1つの欲求階層を確認していく。

 

◆生理的欲求


バイタル、食事、水分(体内の恒常性)、排泄、睡眠、疼痛がないこと

 

低血糖や脱水は補給がおろそかになったり、レースやイベントの強度が高いと発生頻度が上がる。

 

極端な例では、ツールドおきなわで全身が吊る、ハンガーノックになるなどの症状が表れ、一時的に生理的な欲求の欠乏が起こる。長時間のレースでは排泄欲求との戦いもあり、トイレタイムがレースに影響を及ぼすこともあり得る。プロレベルだとテレビには映らない排泄テクニックが重要であるとも言われている。また排泄は軽量化を意味するため、承認欲求や自己実現欲求とも関連している。

 

ロングライドでは、臀部、ハムストリング、膝や首の痛みが発生しやすい。超長距離になると、アキレス腱や手首などの部位に疼痛を感じることもある。600ブルベでは睡眠が必要になり、300km先にビジネスホテルをドロップバッグとともに用意する参加者もいる。パリブレストパリ完走者曰く、600よりも400の方が辛いとのことである。

 

軽量でエアロなフレーム、ディスクブレーキ、チューブレス対応のホイールなどの機材の進化は、より速く快適に走れることを手助けする。目的に応じて良い機材を選べば、走行中の疼痛や苦痛を緩和することにもつながる。

 

 

この欲求階層は、通常生活では当たり前のように満たされていても、過酷な環境では結構な頻度で欠落することがある。

 

生理的な恒常性が失われるのなら、そもそもやらなければいいのに、という意見はまともなので傾聴に値しない。

 

【生理的欲求にかかわるアイテム】

心拍計

・補給食、ドリンク
・塩分、ミネラル、芍薬甘草湯
・サイクルウェア、シャモアクリーム
・アンダーウェア、気候に対応した小物
・用途にあったフレーム、ホイール、サドルなど

 

 

◆安全の欲求


良い自転車、良い装備、良い道路・ルート、最低限の技術、周囲の交通状況との調和

 

性能のよい自転車は低い出力でも比較的速度が出るため、安全ではないところもある。安物を買って走行中にハンドルが取れる、フォークが折れるなどの事故は可能な限り避けたい。それなりの金額をバイクに費やすことは合理的な選択である。

 

初めてのロードで、思ったよりも姿勢の維持が大変で、横を走る車との距離感が近いという印象を持ったかもしれない。いざ乗ってはみたものの、安全性が余りにも満たされていないと感じたサイクリストはそこでバイクを降りる。

 

そうでないサイクリストは継続してバイクに乗り、そのうち自分なりに安全だと思うルートや峠を探索していく。

 

ブルベではスタッフが試走をした上で、可能な限り安全なルートを提供してくれる(主催団体にもよる)。ただし、夜間の下りで低体温症になる場合があり、ちょっとした装備の選択ミスが生死を分けることもある。

 

イベントになれば位置取りを上手く行い、落車のリスクを減らす必要がある。レースではローリング中に落車が起こることもしばしばあり、スタート前にどこにバイクを置くかというのも重要になってくる。

 

またレース前にあご紐を注意される者は少なくない。ヘルメットが何の意味もなさないであろう被り方をしている人は、その時点でリスク管理能力が怪しい。

 

安全の欲求は、個人の感じ方が大きいところでもあるが、一方で道具や心がけでどうにかなる部分もある。ただし、備えあれば憂いなし、とは言い切れないところもあるから難しい。

 

【安全の欲求に関わるアイテム】
・良いバイク
・手袋、ヘルメット、アイウェア 
前照灯、尾灯、ミラー
・地図が表示できるサイコン
・フラットペダル

 


◆所属と愛の欲求


チームへの所属、練習仲間、ショップの常連

 

サイクリングにおいて誰にでも出現する欲求階層ではない。サイクリングは1人でも完結するスポーツであり、むしろ周囲との協調を好まない者も一定割合で存在する。

 

一方で、集団でエンジョイしたい層や、自転車競技にハマる層にとっては重要な欲求階層である。

 

走っていて脚力が付いてくると、イベントやコミュニティの方から自分に近づいてくることがある。ものは試しで走ってみると、集団走行やレースに適応してしまうことがある。そうすると自動的に集団への帰属欲求が起こる。この順番は人によっては全く逆だろう。

 

協調することへの適性が低い場合、仲間内で何らかのトラブルを起こし、いつの間にか集団からいなくなっている。あるいは居心地のいい集団を求めてさまよう場合もある。自分がグループリーダーとして集団を牽引することもある。

 

努力家で速いのに、周囲との連携がいまいちでグループから消えていくというのは何となく悲しいものがある。それは極めて自転車的なことである、と言えばそうかもしれないが。

 

【所属と愛の欲求に関わるアイテム】
・整備されたバイク
・チームジャージ
・ライセンス

 


◆承認欲求

 

他人からの承認と自分自身による承認(自尊感情)という2種類がある。

 

栗村(2018)や岡田(2014)が指摘するように、仲間内での評価やレースでの良い成績は他者からの承認を得られやすい要素である。そして仲間との他愛ない会話によっても刺激されるものでもある。

 

「○○でのアタックは凄かったですねぇ〜」
「□□さんの後ろに付くだけで大変ですよ〜」
「△△峠が31分ですか? それは速いですね〜!」

 

商売上手なお店は、個々の欲求や特徴を把握しており、それぞれに合わせた対応をしている。そのようなお店(≒店主)はこの欲求階層の重要性をよく理解している。

 

自尊感情は人によって様々で、近所をポダリングしていてもそれが満たされる場合から、様々なレースを通して満足させるケースまであるだろう。

 

距離信仰がある場合には、100km走った、200km走った、550kmを24時間で走ったなどの目安がある。SNSに書き込むことによって、同時に他者からの承認欲求も満たせる可能性がより高くなる。

 

ログをstravaに残し、KOMに君臨するというのも承認欲求に関連する。また現時点では開催が不明瞭なMt. 富士ヒルクライムの「ゴールドリング」「シルバーリング」「ブロンズリング」も大いに承認欲求を満たすと思われる。記録を残した者にとっては、原価が数百円のちゃちな指輪ではないのだ。

 

一言で言えば、体力や機材で速度が向上すると承認欲求は満たされやすくなる。

 

【承認欲求に関わるアイテム】
スマホ
・ローラー台
・パワーメーター
GPS付きのサイコン
・レースやイベントの賞品

 

 

自己実現の欲求

 

自分がなりたい何かになる、という欲求階層である。

 

ポダリングによる自己実現というのはあまりピンとこない。地域のスイーツ制覇という自己実現はあるかもしれないが。

 

過酷なイベントを達成することや難しいレースで良い成績を残す(または完走する)こととの関連性が強いだろう。自転車的には、トレーニングを継続している自分、目標のレースで望ましい走りをしている自分を追い求める欲求であろうか。

 

ある程度行きつくところまで行ったら、後進の育成やチームのサポート・運営、またはイベントの開催という形での自己実現もあるだろう。

 

いわゆるガチ勢と言われる人々は、大なり小なり自己実現を目指しているものだと思われる。レースで成績を出したい場合には、自転車に適応できる遺伝子や環境が必要ではある。しかし、どのような体力・技術レベルであっても、自分自身の限界にそれとなく挑んでいるという点には変わりはない。

 

これでサイクリストの欲求はだいたい網羅したと思うが、高級バイクを持つという所有欲もこの階層に含まれるのかもしれない。

 

自己実現の欲求に関わるアイテム】

・速く快適に自転車を走らせる全てのアイテム?

・所有欲を満たし、速く走らせることができる自転車?

 

 

◆まとめ

 

このようなサイクリストの欲求を満たすものをマズローの欲求ピラミッドに当てはめると、以下の図のようになる。 

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図 サイクリストの欲求ピラミッド(筆者作成)


【結論】自転車は機材スポーツだった!

 

【就活に役立つ】ミッドサマー【ネタバレ感想・考察】

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 就活といえば『ミッドサマー』、『ミッドサマー』といえば就活である。就職活動らしきものはほとんど映画に出てこないが、就活生必見の映画である。

 

★☆★ネタバレしていますので映画を見た人のみが閲覧するとよいです★☆★

 

 『ミッドサマー』とは、メンヘラ気味の女子大生であるダニーがなんだかんだで救われるというお話の映画である。これから就活をする人は、就活をするのに重い腰が上がらない、就活できなかったらどうしよう、もう友人らは内定を持っている、面接にすらなかなか呼ばれない、内定がないので死にたくなってきた、などとさまざまな感情が押し寄せるかもしれない。

 

 しかし、ミッドサマーはそんなあなたを救うかもしれない映画なのだ。

 

 女子大生のダニーは身内に不幸があり、彼氏のクリスチャンにおんぶに抱っこのメンヘラとして描かれる。ダニーは何となく邪険にされていることを察知しつつも、彼氏グループに交じってスウェーデンのある村で90年に1度しか行われない夏至祭に参加することになる。

 

 何かきっかけがあれば、まずは動いてみる。就活ではまず行動することが重要だ。

 

 さて、ご一行はスウェーデンに到着し、村の手前の草原で一服する。最初はトリップすることに拒否感があるダニーだったが、周りに合わせてキメてみる。始めは素晴らしい体験であった。

 

 就活の説明会などで(現時点ではまず開催されていないだろうが)、御社のお話に興味がとてもあるフリをし、積極的に質問をする他の就活生に違和感を覚えるかもしれない。しかし、何も考えずに周りに合わせてしまえば、その場の雰囲気になじみ、就活トリップに耽ることができるだろう。

 

 ホルガ村に辿り着いたご一行は牧歌的な雰囲気の中でもてなしを受ける。ダニーのお仲間が「ここはカルトか?」と率直な感想を漏らしていたが、このような核心を突くツッコミは時として失礼に当たる。

 

 たとえば企業の見学をした際に、「何となく社員の表情が暗い」「出てくる社員がいい人すぎて何か怖い」「何かみんな同じような格好をしている(これは就活生にこそ当てはまるけど)」などと案内してくれた社員に向かって率直な発言をしてしまうかもしれない。一見どうでもいいようなことでも、企業のダークサイドに触れてしまっている場合は後々目をつけられて、そこの企業の一員にはなれない可能性がある。社畜としての適性を見られているのだから、微かに滲み出る醜悪さには目をつむり、就活生らしい振る舞いをした方がベターである。

 

 盛大に始まった奇祭を見学するダニーご一行であるが、ここで「アッテストゥパン」を目にすることになる。お仲間の数名は取り乱しているが、ダニーはしっかりと儀式を見届ける。トラウマがあったとしてもしっかりと状況を観察することは重要であろう。

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アッテストゥパンの図(「いらすとや」より筆者作成)

 

 「アッテストゥパン」を企業のイベントで喩えるのは無理があるが、強いて言えば定年やリストラにあたるだろうか。定年式やリストラ式というのは聞いたことがないが、企業からつまみ出される人をあえて祝福するという文化も探せばあるかもしれない。葬式は悲しみではなく喜びなのだと。なお、我が国では鉄道網が発達していることから、ムービングアッテストゥパンで強制終了するという手法が定着している。電車に乗っている人は「あ~」と心の中で思う。

 

 この辺からご一行のふるい落としが激しくなってくる。ある仲間は、倒木に小便を引っかけたことで、ホルガ村の住人から顰蹙を買ってしまう。「これはただの木だろ」と主張するが、この村ではタブーなのだ。

 

 クリスティーン・ボラスは「(企業にとって)何よりも問題なのは、礼節に欠ける人間をうっかり入れてしまうことだ」と述べている。礼節というのはもちろん重要だが、残業時間を細かく聞いたり、年次有給休暇の実質的な取得日数を聞き出そうとしたりすると、日本では怒り出す面接官がいる。リアル労働条件を掘り下げると、やる気がないと認知されるらしい。面接のマナーとしてダメなものはダメというルールを知っているかことが重要で、その理由はもはやどうでもいいし、なぜダメなのかは面接官もよくわかっていないのかもしれない。

 

 物語は佳境に入っていく。主人公のダニーは村のダンス大会に出て、神秘体験をしつつ優勝する。どうも宗教にとっては神秘体験が重要らしい。村の一員としてほぼ内々定していると思われるダニーであるが、このようなコンテストで勝つということが大きな意味を持つこともある。美しい風景の中でクイーンダニーの花冠の花がうようよ黒く開いている描写は印象に残っている。

 

 全体的に花は印象的だったが、やはりこのシーンは外せないだろう。

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花の図(フランシス・ベーコンの絵画と「いらすとや」より筆者作成)

 

 これは企業に入ってからの話になるが、企業内で競争をし、あなたの成果が一番であることを明確にする。訳のわからない評価尺度であっても、とにかく良い成績を残す。そうするとそれをお仲間達が祝福してくれる。尺度としてよくわからないけど、とにかく喜ばしいと思わせる。皆から称えられ承認欲求は著しく満たされる。定期的な企業内のイベントなどで徹底的に表彰されるというのは、労働者を効率的に働かせる上で割と効果的なのかもしれない(研究でどうなっているのかは知らないが)。

 

 「式」というものに違和感を感じるか感じないか。感じていたらそのサインを無視し、あるシステムに適合するように努めると良いだろう。

 

 彼氏のクリスチャンはすでにはしごを外されているのか、村人達の連携プレイにより村娘の生殖に付き合うハメになる。生殖に至るというのが大事で、とにかく外の種が得られればいいというのがポイント。採精したらそれを漏らさないようにする描写が何とも丁寧で、それがただ生殖のための行為であったことが強調される。

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生殖の図(「いらすとや」より筆者作成)

 

 もし彼氏が聖人君子で佐藤健みたいなイケメンだったら村に迎え入れられていたのかというのは、気になる所ではある。佐藤健が熊の着ぐるみの中で焼死するというのは、日本人女性のためにあってはならないことであるが。

 

 もう1つ気になる点として、村の幹部達が意思決定をしている様子はほとんど出てこない所である(アウトレイジのような映画ではないので)。しかし、夏至祭をスムーズに進行するためには、今年は生け贄を何人にするか、誰をどのようなタイミングで生け贄にするかということを決め、その情報を村人で共有していく必要がある。油断すると貴重な村人が殺られてしまう可能性もあるのだから。幹部らは迅速に合意形成していく必要があるのではないかと推察される。小規模なコミューンだから意思決定は統一されやすいかもしれない。あれが200人300人となると、システムを維持するのも大変そうだ。

 

 もはや就活には関係なくなってしまったが、結果として、見事にシステムの一員となったダニーはとても幸せそうに見える。どんな職場であろうと本人が満足しているのであれば、それは幸せなことなのだ。

 

 もしかするとダニーは1ヶ月後に「やっぱり何か違うぞ!?」と思い始めるかもしれない。よく訳もわからないまま歩く花瓶にさせられた自分を思い出したときに、ダニーは何も感じないことができるだろうか?

修善寺にマンセボ

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にわかサイクルロードレースファンからみた「JBCF第2回修善寺ロードレース」の感想である。以下、選手らの敬称は省略する。

 

タイムアウトの基準 

 

「下田にペリー」みたいなタイトルだが、自転車界にとってはちょっとしたインパクトがあったように思う。修善寺のDay2でJプロツアーの選手が105名中99名がタイムアウトという異例の事態が生じた。

 

まずはツール総合4位の実績を持つマンセボを含む逃げ集団が想像以上に速かった、というのはあるだろう。そして安全管理の都合上、タイムアウトを4分半から5分と最初から決められていたのが、プロの大半がリタイヤになった理由の1つである。だが、この設定の仕方は半分間違っている。なぜなら、プロとアマでは集団の構成のされ方が違うからである。

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図1.アマチュア(特にE2、E3)の集団

 

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図2.Jプロツアーの集団 

 

マチュアとプロが同一の日に同一の場所でレースを行うため、競技規則は原則的にアマでもプロでも統一されているようである。

 

マチュアに関しては4分半でタイムアウトを宣告するのは正しい。アマでありがちな構図(図1)では、集団から千切れることは基本的に走力の不足を意味する。したがって、千切れたら先頭との差は開くばかりである。先頭集団が1周8分半で回るのに対して、脚を使い果たした千切れ組は10分以上はかかるため、最大でも先頭から5分でレースから下ろすのは、安全面から言って妥当である。なお、最終周回に入るタイミングにおいて7〜8分遅れで通すのは、安全上問題ない。

 

一方のプロ集団は、少数の逃げを容認した後は集団が落ち着くという展開になることがよくある(図2)。アマは先頭とのタイム差をコントロールする術はないが、プロのメイン集団にはそれがある。集団がその気になれば、5分差からでもある程度までは詰められる。ドラフティング効果がそれほどではない修善寺だとしてもだ。

 

そもそもの間違いは、プロとアマで同一のタイムアウト基準を適用したことにあると考えられる。ただし、マンセボインパクトを狙って大量のリタイヤをあえて出したという見方もできなくはない。

マンセボ劇場

今年からレースが映像でも観られるようになった。ライブリザルトの配信も面白い。

www.youtube.com

 

Day2のレース概要 時間は動画内の時間

1:27 湊の単独逃げ

「サンキュー湊」

1:35 マンセボ動く

2:27 中田動く、マンセボ静観

「ナカータに触れたとたん動きました」

2:35 マンセボ動く、10名程度の集団崩壊

2:49 メイン集団タイムアウト、コース上は10名以下

3:16 マンセボアタック、吉岡つけず

マンセボ選手はインナーに入れてるんですかね? このコースで」

3:20 アイランが単独でマンセボに合流

4:04 マンセボ速やかにクールダウン

 

映像で断続的にしか観ていなかった部分はあるが、解説の廣瀬GMの「レースをご覧の方は、誰が一番強いのかよくわかったと思います」の言葉通りのマンセボ劇場であった。

 

圧巻は19周目(動画3:16ごろ)である。解説は「マンセボが吉岡やアイランのペースを合わせているだけで、いつでもいける」と事前に指摘しており、後はタイミングの問題であったことがうかがえる。

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図3.修善寺のコースプロファイル

出所:JBCF「テクニカルガイド」(①〜④は筆者加筆) 

 

マンセボがアタックしたポイントは、2号橋からピークに差し掛かる少し手前である(図3①)。少しの平坦から登りの角度がきつくなるこのポイントは、走ってて最も辛く感じる箇所の1つである。映像からではわからない息づかいやペダリングの様子などから判断したのだろう。アイランの後ろに下がってから勢いをつけてのアタック(図4)に、吉岡はなす術がなかったという印象である。

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図4.マンセボアタック

 

ピークのヘアピンから下りに入る局面で、バイクがマンセボを追いかけ始めるが、その姿がなかなか見えない。つまり、マンセボはアタックから下り始めまでかなり踏んでいたことになる。30秒500Wは軽く出ていたのではないだろうか。

 

これはプロ集団全体に言えることだが、ピークから下り始めるまでの踏み方が凄い(図3②)。下位のアマや脚のなくなったプロはこの辺でゆるゆると踏むことしかできないが、強い選手はインコースの植木に接触するのではないかという勢いで回していく。

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ホームストレート手前の傾斜がきつくなるあたりで、カメラが追いつく(図3③)。ここであることに気付いた廣瀬GMマンセボアウター疑惑を口にする。このコースでアウターのみは考えられないのだが・・・。

 

アイランが仕掛けた詳細な地点が不明だが、ホームストレートに入った時点でアイランは吉岡を突き放していた。ホームストレートからの登りで後ろを確認したマンセボは、アイランが単独で来ていることを確認し、脚を緩めている(図3④)。そして登りのピークでマンセボはアイランと合流する。解説からは「勝負あった」のコメント。修善寺の地形はこうやって使うのかと感心した。廣瀬GMらの解説もわかりやすく、レースの面白さを的確に伝えていたように思う。

 

仮にアイランにそれほど余力がなかったとしても、マンセボはそのまま先行し勝ちを確定させ、アイランは吉岡の後ろで回復してから、どこかで突き放してワンツーを決めるという選択肢も考えられた。詰めロード的にこれは次善の手であろうか。

 

2021年からJBCFの裾野を広げ、一般的なサイクリストも参加できるような新リーグの構想もあるということで、非常に興味深い。上から下まで幅広くランク分けをしているドイツサッカーリーグのような感じだろうか。

 

一方で、Jプロツアー選手の賃金が全体的に低いと言われているのは気がかりである。具体的には、例えば3部以上のプロと言える選手に対する最低賃金はいくらにするのか、といったことである。資金源を確保するためにレプリカジャージを現地で販売するなどの泥臭いことが必要かもしれない(もちろんこれにはリスクが伴う)。

 

蛇足だが、現状ではE1のメイン集団(あるいはE2、E3)とJプロツアーのメイン集団の平均年収を比較した場合、おそらく学生を含めてもE1メイン集団の方が明らかに高いだろう。

みんなでもがくガールズバー【サイクルホリック】

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FTP測定の際、若く容姿に優れた女性に「センパイ頑張って〜」と言われたいがために訪問。その目的は達成された。ただし、応援されてもFTP測定が苦しいことには変わりない。

 

夕方お店に入るとすでに何人かのお客さんがおりローラーを回していた。私服で回していたので、逆によくやっているなと思った。

 

私はシューズとジャージを持参した。サドル高を伝えたらすぐにセッティングされたので大丈夫だろうと思ったが、一応サドル高を測る。ピッタリだった。ボトルの水を移し替えたり、タオルをセッティングしたりしていたら、店員さんから「乗り慣れていますよね?(そういう人向けではないんだけれど・・・)でもいいと思います!」と指摘されてしまった。

 

負荷が緩いときに普段の乗り方などを店員さんと情報交換する。するとリアの変速がおかしいことに店員さんも私も気付く。ローの時にチェーンがどっちに行こうか迷っている挙動をしていたので、アジャスターを適当に回す。私以前に乗った人は気付かなかったのだろうか。

 

こういうこともあるだろうと思い、インナーローで回していると、今度は急に負荷がかかる。ここは馬返し〜狩休なのかなというくらいの負荷で、画面を見ると傾斜は20%ではない。スマートローラーは初めてなので、この辺の原因は不明である。またTacx NEOの仕様なのか若干バイクが左右に振れるため、上体を安定させるように努める。

FTP測定の際にはどうも負荷が一定になるようで、変速せずに淡々と回す。測定中は店員さんはたまに様子を見にくるぐらいで、余計な口出しはしない。最後の方は垂れてきたこともあり、追い込み時にハッパをかけられる。スタッフの何名かはすでにFTP測定をしているらしいので、この辺の声掛けは心得ているようだ。

 

シャワー室で汗を流した後に、プロテイン飲み放題を頼む。FTP測定の後なのか頭がぼーっとしており、店員さんの説明を2回ほど聞いて理解する。バーは満席で、お客さん同士あるいは店員さんとのトークで盛り上がっている。

 

周りのお客さんや店員さんと話しながら、プロテインとBCAAを堪能する。青りんご味(おそらくXtendのGreen Apple)の作り方が非常に参考になった。店員さんの何人かは明らかに経験値が高く、作業の迅速さやコミュ力、観察力が普通ではない印象を受けた。こういうバーに詳しそうなお客さん曰く、サイクルホリックはかなり攻めているとのこと。何となく店全体に一山当ててやろうみたいな雰囲気があって良い。

 

レーニングジムとガールズバーの融合を思いついたとしても、実行に移すのは容易なことではないので、これは凄いことだと思う。流行り廃りが激しい業種のようだが、将来有名になるような選手が「きっかけはガールズバーでした」なんてことがあればなお面白い。

 

ところで、バーのテレビ画面にはリッチー・ポート選手が落車でリタイアしたステージが映し出されていた。落車については個人的にもかなり検討課題である。

www.sisbos.fr 

JBCFレースにおける最近の落車多発原因について考察 #2

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アナバイト事件に思う未来のドーピング

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出所:「仲裁判断JSAA-DP-2016-001号事案」

http://www.jsaa.jp/award/JSAA-DP-2016-001+a.pdf

 

トラック競技の自転車選手がドーピング陽性となったが、意図的なドーピングではないとの判断により、4年の資格停止処分が4ヶ月に短縮された。

 

上の「仲裁判断」では、ギャスパリ社のアナバイトというサプリメントに、アンドロステンジオンというステロイドホルモンが混入されていたとの検査結果が示されている。なお、選手は継続的に11種類のサプリメントを使用していたとのこと。

 

表1.X選手が使用していたサプリメント一覧

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出所:「仲裁判断」別紙3より抜粋

 

さらに興味深いのが、Jarrow FOMULAS社のQH-absorbというコエンザイムQ10に、オキサンドロロンというステロイドホルモンが検出されたことである。しかし、選手からオキサンドロロンは検出されていない。これは試合前に取っていたQH-absorbのボトルと、検体として提出したQH-absorbのボトルは違うものであったという事情がある。コエンザイムQ10という身近なサプリにもトラップが潜んでいることには驚いた。

 

ビタミン、コエンザイムQ10L-カルニチンなどのビタミン様物質は禁止されていません。しかしこれらに種々の強壮剤を配合した製剤、特に外国製品には禁止物質を含むものがあります。「薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック2017年版

 

アナバイトの場合、たまたま試合直前で使用したアナバイトが少量残っており、製造番号が同じであるボトル(④2)と一緒に検体として提出している。

 

仲裁の申し立てをしていなかったら、当初の決定である4年間の資格停止処分のままになっていたので、費用と労力をかけてでも仲裁に持っていった意味は大いにあったと言える。

 

 

そして、本件ANAVITEを含む本件サプリメントを摂取する必要性について、申立人は、他のほとんどの選手がサプリメントを摂取していたことから申立人のみサプリメントを摂取しないという選択は採り得なかった旨供述し、(中略)、認識されるべきであったリスクの程度との関係において、申立人の「過誤の程度」は決して軽視できるものではない。「仲裁判断JSAA-DP-2016-001号事案」

 

「他のほとんどの選手が」というくだりは耳の痛いところで、勝つために効果のありそうなサプリは違法ではないのでガンガン摂取していますよ、というカルチャーが婉曲的に表現されてしまった。

 

瞬発力が必要なトラック競技での活動が主ならば、筋トレ等での追い込みやその疲労回復でサプリを常用していたことは想像に難くない。ロディオラ・ロゼアのような精神面に作用しそうなサプリもリストにあるのが興味深い。サプリがやる気スイッチになっていた可能性がある。

 

なお、アナバイトにはカリフォルニア州法によると発がん性のある物質が使用されている(二酸化クロム)。iHerbでは「その他の成分を見てゾッとしました。体感が良かっただけに残念ですがリピは絶対にやめます」というレビューが寄せられている。

 

カリフォルニア州プロポジション65

https://oehha.ca.gov/media/downloads/crnr/p65single07072017.pdf

 

他に注目すべき記録として、グーグル検索をして情報が確認できるできないの議論が本文でなされており、このあたりは現代的だなと思う。複数のブログでギャスパリ社製品のドーピング事案が確認できれば、そもそもその確認作業を怠ったとして、選手の過失を問うことができるわけである。

 

今回の判例(?)で、ギャスパリ社製のサプリで禁止物質が出たのが2例目となった。ゆえにギャスパリ社製のサプリでうっかりドーピングをしてしまいました(だから許してね)のような言い訳が今後は通用しない可能性がある。薬剤師会では次のような注意を促している。

 

海外ではラベルに表示しないままに不正に興奮薬やステロイドの医薬品成分を添加したサプリメント製品が多数流通し、そのような製品による陽性も毎年報告されているため、製造基準や製品管理の品質が不明な製品の使用は避けることが賢明です。「薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック2017年版」 

 

ではサプリメントに違法薬物がどのくらいの確率で入っているのだろうか。

 

表2.サプリメントにタンパク同化ホルモンが混入されている確率 

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出所:Geyer H, Parr MK, Mareck U, Reinhart U, Schrader Y, Schänzer W. Analysis of non-hormonal nutritional supplements for anabolic-androgenic steroids results of an international study. International Journal of Sports Medicine, 2004, 25, 124-129.

 

 

薬剤師会が示唆しているように、違法薬物を製造過程におけるうっかり混入ではなく、わざと添加している説がある。添加サプリを使用した消費者は体感として効果を感じることができるかもしれないので、一部の消費者はamazonやiHerbに高評価を入れる。それが呼び水となって企業はより儲かる。検査などはサプリメント検査団体への献金や、政治献金で何とかするという手法があるので、ちゃんとしてそうな会社の不正というのは全く不思議ではない。

 

しかし微量の混入にホルモン剤としての効果があるのかは疑わしい。知り合いの薬剤師によれば、アナバイトを過剰摂取していたとしても、ステロイドホルモンの経口摂取が数マイクログラムにしかならないので、効果があるかは微妙とのことである。

 

未来のドーピング

筆者は科学に関して素人である。以下の内容はサドルの神様のお告げであると言っておく。「ドーピング=薬」というのは定番であるが、徐々に変容していくだろう。

 

人工筋肉あるいは培養筋肉

コンプレッションタイツの次の段階で、タイツそのものが伸び縮みするような機能をつける。レースではすでにアームウォーマー等の着用が認められないケースもあり、見た目にインチキがわかりやすいのが難点だ。

 

もう少し先の未来では移植技術や再生技術の発展により、培養筋肉を装備できるようになる。自転車競技では、腰回りや脚の筋肉を増やせばパフォーマンスの向上が期待出来るため、培養された人工筋肉をくっつける選手が現れる。

 

代表者ミーティングでコミセールが「こんなものが落ちていました。とても恥ずべき事です!」とハンドルの中に仕込んでいた重りをぶら下げる(大○原クリテのP)というのは過去のことで、坂の手前ではぎ取ったと思われる使い捨て培養筋肉をぶらぶらさせる。

 

ナノ血球

筋肉をつけても酸素が回らなければ意味がない。特定の筋肉に効率的かつ選択的に酸素を供給するナノ血球を注入することになる。発想としては血液ドーピングの延長線上にある。何らかの方法でナノ血球自身が肺を介さずに酸素を交換できるとかできないとか。太ももの表面に黒いブツブツが浮かび上がり、エラ呼吸のごとく太もも呼吸をしている脚たちが公道を駆け抜ける。

 

ゲノム編集

遺伝子をいじることで、特定のスポーツに適した人間にデザインできる未来が迫っている。筋肉や心肺機能を有酸素系(あるいは無酸素系)にステータスを振ることで、労せずしてパフォーマンスの向上を図れる。才能そのものをアップさせると言っても過言ではない。しかし、ゲノム編集で脚の筋肉を増やそうとデザインしたつもりが、なぜかアゴの筋肉が発達するという事案が発生してしまう。

 

判断ドーピング

優れた肉体を手に入れても、技術や判断・戦術がイマイチならば宝の持ち腐れである。結局、ゲームに勝つために必要なのはチームの戦術であり、個人の頭脳である。脳科学も相当の発展を遂げており、優れた選手の脳をスキャンすることで、その選手の経験値を含めた戦術眼や判断能力などをコピーできるようになる。脳の一部を電脳化するなどして、先人の脳を自分の脳に取り込めるのだ。例えば以下のクラシックな頭脳は高値で取引されている。ちなみに監督は人工知能になる。

 

ステージレースで勝利するための合理性と効率性「○ルーム」

曲芸のような下りから頭突きに負けない驚異のバランス感覚「サ○ン」

TTでのペーシングと筋肉の使い方をレクチャー「マ○ティン」

これであなたも大逃げ職人「ヴォクレー○」

アシストとして優れたコミュ力と状況判断能力「ド○チャン」

マチュアレースに勝利し全日本選手権を完走する知性「タ○オカ」

 

ただし、脳がいくら優れていても神経が発達していないとかえって危険を招く場合がある。また他人の脳に頼りすぎると自己同一性が揺らぎ、特にU23には有意に悪影響を与えるということで、やはりこれも禁止されてしまう。

Zwift英会話(&レースtips)

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簡単な英会話で中学生で習うような単語がほとんどである。以下は実際に見かけたチャットを筆者が意訳したものである。

 

"front ease please. "

「先頭は緩めてね」

 

先頭が速い時のコメント。パワー指定されたイベントでリーダーからよく発せられる。

"slow down front."

"2.0W/kg MAX"

"easy rolling"

"stay with a Beacon (and Bacon which is me)."

などバリエーションは多い。

 

 

"leader?"

「リーダーは?」

 

イベントで整列している時に問いかけられる。リーダーがいないイベントでは、スタート直後に集団が分裂することが多い。スタートダッシュに備えるべし。

 

 

"great group."

「いい集団だ。」

 

一定のペースで走る集団で仲間を称え合うコメント。と同時にペースの変化を抑制する狙いがあるかもしれない。ブルベ系のイベントで淡々と走っている時に連発されることがある。応用として「うちのクラブよりもちゃんとした集団だ」などの冗談がある。

 

 

"I am out at 50km."

「50km地点で離脱する。」

 

1〜2時間淡々と走る集団で途中抜けするときのコメント。挨拶代わりのコミュニケーションである。他の仲間が"good job."などとねぎらう。2時間近く走るイベントだと、数十人いた集団がいつの間にか数人にまで減ることがある。3本ローラーだと尻的にきつい。

 

 

"don't get mad."

「まあそう怒るなよ」

 

"zpower guy"を連発していたライダーに対するコメント。パワーを盛っているライダーが同一の集団にいるのが癪に触ったのだろう。気にしても仕方のないことなんだけど。

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"hunt and pick him up."

「彼を狩って拾おうぜ!」

 

第2集団で走っている時に、第1集団から落ちてきたライダーが数十秒前にいる時のコメント。前にいるライダーが意外と粘ったりすることがあるので面白い。いかにも狩猟民族的な表現である。

 

 

"OOO is really strong. not C."

OOOはマジで強いぞ。Cなわけない。

 

4.0W/kgを平気で出し続けるライダーに対するコメントである。レースでは名前の後ろに自分のランクを表示させている人も多い。このライダーは最終周で4.5W/kgで引き始める。余りにも強いので "Shame on you!" 的なツッコミが入る。

 

なんちゃってCのライダーは1位ではなかったものの、平均パワーが高かったため、zwiftpowerでもれなくAランク認定されていた。

 

 

"settle. a half way long."

「落ち着け。まだ半分あるぞ。」

 

中盤で集団が伸びた時のコメント。短い登りではパワーが上がるため縦長になることがある。油断しているとあっさり千切れる場合があり、復帰するのに5.0W/kgを1分以上出すしかないなんてことも。

 

 

"awareness guys."

「気づきってことだろ。」

 

文脈としては、中盤のアップダウンにて「集団が分裂した」というつぶやきに対するコメントである。坂であったり他の集団が混ざったりする箇所は集団から離れやすくなるので、いち早く危機を察知することが肝要である(といった後方集団への皮肉が込められているのだろうか?)。特に中盤以降は脚にきていることがあるので、集団復帰は容易ではない。

 

 

"predators all around."

「化け物がうようよしてやがるぜ。」

 

最終周で集団が活性化し始めた時のコメントである。このコメントを打っている人が実は最強のプレデターという説も。

 

 

"thanks all. good race!"

「ありがとう。いいレースだった!」

 

1分弱を7倍前後で踏むプレデター達がゴール後にお互いを称え合う。コメントを打つのが遅いと、同じ集団だったライダーはもうすでにいなかったりする。

 

レースtips

①スタートダッシュ

②短い坂

③巡航時の上げ下げ

④勝負所のアイテム

⑤スプリント

 

①スタートダッシュ

レースにもよるが、リーダーなしのレースだとスタート直後にばらける。第1第2集団で走りたい場合はスタートダッシュが重要である。

 

アバターが速度を上げ始めるのにタイムラグがあるため、スタート数秒前に200-300Wまで挙げておき、画面がカクカクしている間の混乱を乗り切る。実業団レースと違って、前に100人いてもパワーだけですり抜けられるのはある意味楽である。

 

ただしレースによっては300Wダッシュでも第2集団以下になることがある。マリオカートロケットスタートが使えればという感じ。

 

②短い坂

ここはリアルと同じでインターバルがかかりやすい。かけるのが遅れるとじわじわ離れる。遅れると平地や下りに入った時に、体格に勝る外国人の集団に追いつくのに300Wオーバーで踏むことになる。分岐点の先にちょっとした坂がある場合も要注意だ。

 

コツとしては、坂に入る少し手前で集団の中頃から出力を上げ始める。後ろからドラフティング効果とすり抜け効果を利用しつつ前に上がり、勢いのまま集団の先頭付近をキープすると慌てなくて済む。

 

③巡航時の上げ下げ

集団内ではできるだけ一定の出力を維持する。リアルとは違って、一定のペースで走っていれば勝手に先頭に出たり引っ込んだりする。さながら熱せられたビーカーの中を対流する水のようである。

 

例えば先頭に出たときに2.5W/kgに落とし、集団から離れそうになって3.5W/kgに上げるなんてことをしていると、無駄にスタミナを消費してしまう。3.0W/kgで集団に磁石のようにくっついていられるのであれば一定出力がベターである。楽に効率よく回す練習になるし、心拍も低くなりやすい。場合によっては外国人ライダー(体重が重いであろう人)よりも巡航時のPWRが低くなることがある。

 

④勝負所のアイテム

マリオカートでは赤甲羅の使い所が勝負を分けるが、Zwiftでもアイテムの使い方が割と重要になる。上手いライダーはここぞというタイミングで羽や車などを使う傾向にある。

 

リアルでもバーチャルでも短い坂が勝負所となる場合が多い。群馬CSCだと心臓破りの坂がそれに当たる。Zwiftレースでは、最終局面の短い坂で30秒7倍を出していても集団から置いて行かれることがあり、ここで羽があったらなあと思うことがある。

 

集団から遅れてもエアロブースト等があれば何とかなる場合もある。エアロ仲間で集団を追いかけたりもする。エアロヘルメットはなかなか強力で、30秒9倍弱の子鹿スプリントでも外国人勢の10倍以上スプリントになぜか対抗できることがある。レース後に「アイテムの使い所がわかったぜ!」というコメントを書き込むライダーもちらほら。

 

大集団の後ろからロケットスタートしたい場合には、スタートと同時に車(ドラフティング効果↑)を使いつつ数十秒〜1分のフルもがきをするという手もある。ただし盛大にタレる可能性あり。

 

⑤スプリント

私の場合、もともとスプリント力がない上に、パワーに勝る外国人には勝ち目が薄いというのが率直な感想である。3本ローラーということもあるが、瞬間的に数百ワットは違う気がする。軽量級でもスプリント力のあるライダーはいるので一概には言えないが、スプリントにならないような展開を作る必要がある。