あざみラインのヒルクライム偏差値(あるいは実業団選手の脚力の目安)
全長11.4km、標高差1200m、平均勾配10%という日本屈指の激坂である。私はまともに登れたためしがない。砂の富士山を作っていたら、翌日にハムストリングが酷い筋肉痛になった。
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あざみライン偏差値詳細は当該ページの一番下を参照のこと。
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馬返し後の押し歩きやグレーチングでの落車は想定できるが、今までと同じくリザルトだけをみていく。
表1.あざみヒルクライム偏差値(2015年基準)
偏差値 | タイム | 推定PWR(60分) | 上位からの位置 | 備考 |
75 | 44:20 | 5.50 | 1% | |
70 | 46:55 | 5.17 | 2% | |
65 | 49:55 | 4.85 | 7% | 富士ヒルゴールド相当 |
60 | 53:20 | 4.53 | 16% | |
55 | 57:10 | 4.21 | 31% | |
50 | 61:40 | 3.91 | 50% | 富士ヒルシルバーやや未達 |
45 | 66:50 | 3.61 | 69% | |
40 | 73:00 | 3.31 | 84% | 富士ヒルブロンズ相当 |
35 | 80:30 | 3.00 | 93% | |
30 | 89:45 | 2.70 | 98% | |
25 | 91:10 | 2.40 | 99% |
出所:筆者作成。富士山ヒルクライムのE1、E2、E3クラスタおよび富士山国際ヒルクライムのエキスパートと男子(以下、一般男子)のリザルトに基づく(2015年6月閲覧)。N=644
図1.E1、E2、E3および一般男子のタイム分布
出所:筆者作成。91分台以降は省略。E1、E2、E3および一般男子。N=644
個別にみるとアマチュア最速は45分50秒である。また60歳代以降で56分台という凄まじい記録がある。上の集計データには含まれてはないが、MTBでの最速は1時間1分台とこれまた凄い。
図2.あざみヒルクライムの推定PWR(60分)の分布
出所:筆者作成。E1、E2、E3および一般男子。推計方法は「Mt.富士ヒルクライムのヒルクライム偏差値」等と同じ。N=644
実業団も含めてのデータではあるが、平均値が4.0W/kg付近と他の大規模なヒルクライム大会と比べて母集団のPWRが著しく高い。データ上からも初心者お断りの大会であることがよくわかる。
図3.P1のタイム分布
出所:筆者作成。N=76
タイムのまとまり具合はさすがプロである(若干アマもいるが)。P1の最速はホセ・ビセンテ選手の41分34秒である。ヤビツ換算(名古木)だと約27分45秒と推定され、異次元の速さである。27分だと普通の人は菜の花台すら通過していない。
図4.P1の推定PWR(60分)の分布
出所:筆者作成。推計方法は「Mt.富士ヒルクライムのヒルクライム偏差値」等と同じ。N=76
図5 プロとアマの推定PWR(60分)の比較
出所:筆者作成。N=720(P1=76、E1=70、E2=90、E3=149、一般男子=335)
60分のPWRのみをみると、プロを上回る登坂能力を持つアマチュアが一定数いる。ただし、アマチュアはクライマー寄りの選手が多い可能性と、プロはクライマーからスプリンターまで様々な脚質を持つ選手が参戦している可能性があるので、その辺を差し引いて見る必要がある。
なお、PWRの数値はあくまで登坂能力に限定されたもので、ヒルクライム以外のレースで重要となる1〜5分のパワーや繰り返し能力と必ずしも関連しない。こうした短時間のパワー等は実際に現場で一定区間のタイムを計るか、映像から推定するしかないだろう。
表2.富士山ヒルクライム大会(2015年)の推定PWR(60分)の基本統計量
カテゴリ | 平均 | 最小値 | 中央値 | 最大値 | 標準偏差 |
P1 | 4.92 | 3.79 | 4.87 | 5.89 | 0.41 |
E1 | 4.52 | 3.24 | 4.55 | 5.24 | 0.42 |
E2 | 4.15 | 3.02 | 4.14 | 5.30 | 0.45 |
E3 | 4.05 | 2.47 | 4.11 | 5.21 | 0.49 |
一般男子 | 3.66 | 2.23 | 3.70 | 5.30 | 0.60 |
出所:筆者作成
ところでプロがアマと同じ日に時刻をずらして同じコースを走るというのは、自転車大会の運営をよく知らない者からすると不思議である。野球でいうなら、東京ドームで巨人阪神戦の前に、社会人野球や高校野球が行われるようなものである。
私の理解がいろいろと不足しているのかもしれないが、お金を貰って走る人とお金を払ってまで走りたい人が、同じような扱われ方でレースに参加しているようにみえる。公道レースという競技の特性上、観客からお金を取るのは極めて難しい。率直な疑問として、プロチームの収入源は何だろうというのがある。
別の観点でみれば、それほど高くはない費用で、ある程度限定された選手が集まるレースに参加でき、ついでにプロのレースもみられるという良い環境があるとも言える。
表3.あざみラインのヒルクライム偏差値詳細(2015年基準)
偏差値 | タイム | 推定PWR(60分) | 備考 |
75 | 44:20 | 5.50 | これ以上のP1は8名 |
74 | 44:50 | 5.44 | |
73 | 45:20 | 5.37 | |
72 | 45:50 | 5.30 | P1以外での最速(2015年) |
71 | 46:25 | 5.24 | |
70 | 46:55 | 5.17 | |
69 | 47:30 | 5.10 | |
68 | 48:05 | 5.04 | |
67 | 48:45 | 4.97 | |
66 | 49:20 | 4.91 | |
65 | 49:55 | 4.85 | 富士ヒルゴールド相当 |
64 | 50:35 | 4.79 | |
63 | 50:15 | 4.73 | |
62 | 51:55 | 4.66 | |
61 | 52:35 | 4.59 | |
60 | 53:20 | 4.53 | |
59 | 54:00 | 4.47 | |
58 | 54:45 | 4.41 | |
57 | 55:35 | 4.33 | |
56 | 56:20 | 4.27 | |
55 | 57:10 | 4.21 | |
54 | 58:10 | 4.15 | |
53 | 58:55 | 4.09 | |
52 | 59:45 | 4.03 | 富士ヒルシルバー相当 |
51 | 60:40 | 3.97 | |
50 | 61:40 | 3.91 | |
49 | 62:40 | 3.85 | |
48 | 63:40 | 3.77 | |
47 | 64:40 | 3.71 | |
46 | 65:45 | 3.67 | |
45 | 66:50 | 3.61 | |
44 | 68:00 | 3.55 | |
43 | 69:15 | 3.47 | |
42 | 70:25 | 3.43 | |
41 | 71:45 | 3.37 | |
40 | 73:00 | 3.31 | |
39 | 74:30 | 3.25 | 富士ヒルブロンズ相当 |
38 | 75:55 | 3.18 | |
37 | 77:30 | 3.11 | |
36 | 79:00 | 3.06 | |
35 | 80:30 | 3.00 | |
34 | 82:15 | 2.94 | |
33 | 84:00 | 2.88 | |
32 | 85:50 | 2.82 | |
31 | 87:50 | 2.76 | |
30 | 89:45 | 2.70 | |
29 | 91:50 | 2.64 | |
28 | 94:05 | 2.58 | |
27 | 96:20 | 2.53 | |
26 | 98:40 | 2.47 | |
25 | 91:10 | 2.40 |
出所:筆者作成。E1、E2、E3および一般男子のリザルトに基づく。