ゆるポタ日記

自転車関係などの雑記帳です。

自転車乗りが筋トレをする理由



そもそも筋トレが自転車競技に必要かそうでないかは意見の分かれるところで、全く筋トレをしない選手もいれば積極的に行う選手もいる。

 

『サイクリスト・トレーニング・バイブル』によれば、筋力アップは持久力向上に寄与するが、VO2maxは変化しないとしている。また筋力強化により疲労困憊までの時間が長くなり、故障リスクを逓減できると書かれている。筋トレにより筋肉と腱との結合部分という弱い部分の強化できるとのこと。

 

栗村修氏は輪生相談にて、心肺や筋肉をエンジンとし、膝や腰をシャーシに喩えて回答をしている。氏は経験則から、欧米人に比べ日本人はたぶんシャーシが弱いと指摘しており、ロード乗りは特定の部位を鍛えるためにボディビルを学ぶべきだと主張している。

 

 

また栗村氏は筋トレを始めてから全身の筋肉を意識できるようになり、たいぶ速くなったと述べている(『栗村修のかなり本気のロードバイクレーニング』)。

 

加齢による筋力の低下も筋トレの必要性の1つである。筋肉の権威である石井教授は、「一番落ちやすい大腿四頭筋の場合、25〜30歳をピークに、筋肉は1年につき1%ずつ細くなっていきます。」「筋繊維の中でも、とくに速筋繊維の割合が40歳頃を境に減っていく。(中略)速筋繊維を維持するには、大きな筋力を発揮する運動が最適。」(『石井直方の筋肉まるわかり大辞典』pp.60-61)と解説している。

 

私の経験則としては、サッカーやフットサルのコンタクトの強さやケガ予防において、筋トレの効果を感じたことがある。

 

最近は週1回かそれ以下の頻度で、デッドリフト、スクワット、余裕があればランジを行っている。腹筋も適宜行う。ただし、腹筋以外の筋トレをした場合、その翌日はまともに乗れないことが多いので、目に見えるパフォーマンス(FTPなど)の成長は遅くなる。

 

筋トレは自転車の乗り込みには明らかにマイナスで、その疲労がレース日まで残ると本末転倒ですらある(実際になった)。しかし、プロのように短期で結果を出す必要が全くなく、長期でケガ予防になれば筋トレの意味は大いにあるだろう。

 

まだ筋トレを始めて数ヶ月だが、膝や腰の違和感や疼痛の減少、全身的な疲労感の減少、短時間走が行いやすくなったなどの効果をじわじわと感じている。体重の変化はあまりなく、むしろ減少傾向にある。おそらく長期的には体重は増えるだろうが。

 

スクワットよりもデッドリフトを優先するのは、体幹を鍛えたいということがまずある。他には高強度シッティングで尻や背中の筋肉を動員するようなペダリングに効果があり、なおかつ高重量に耐えられる足腰の養成がケガ予防になるのではないかという理由がある。

 

あとはデッドリフトにしか使わないリフティングストラップを買ってしまった、というサンクコスト効果(貧乏根性)もあるかもしれない。

 

そもそも筋トレを再開するようになったきっかけは、ある筋からの情報と周囲の環境変化という偶然によるところが大きい。ガチムチのバディがいると筋トレに対する意識が変容してしまうのである。