つよポタミア

自転車関係の雑記帳です。

ラン素人が練習不足にもかかわらずフルマラソンを6時間で完走する方法

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走ってわかったが練習なしで走るものではない。これはド素人ランナーの意見であり、熟練者には役に立たないどころか害悪である可能性すらある。しかし諸事情により初心者でありながら練習をあまりせず、そのくせフルマラソンは制限時間内に完走したいという人には有用かもしれない。

 

フル6時間だと完走ではなく完歩になるが、便宜上ここでは完走と呼ぶことにする。運動習慣があるか基礎体力に優れている人は、ある程度の対策をすれば5時間台で走れるのではないかと思われる。

 

なお、フォームやモチベーションの保ち方に関しては諸説あるため省いた。フォームに関して私が心がけたのは、脚への衝撃を最小限にするため、マッチ棒がそろそろと平行移動するような直立した姿勢ですり足に近いフォームで走った。

 

モチベーションについては、10年前に初マラソンで7時間以上かかったので、今回ネットで6時間以内という目標を設定した。ズタボロになったという辛い記憶を忘れたため、練習不足で再び無謀な出走をしたとも言える。10年前との違いは、回復力が低下したことと、自転車で一度に数百キロを走れるようになったことである。

 

マラソン初心者ができることとして以下の5項目がある。

 

1.情報収集する

本でもネットでも役に立てば何でも良いが、数多くのランナーをみていたり、マラソンの研究をしていたりする人の意見の方が万人に当てはまりやすいだろう(その意味では当記事は当てにならない)。

 

私が実際に読んだのは、岩本氏の『型破り マラソン攻略法 必ず自己ベストを更新できる』と吉岡氏の『毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる』などである。

 

岩本氏は効率的なトレーニング手法とレース直前の綿密な準備において、吉岡氏は自転車がマラソンにも役立つという観点において有用であった。特に補給とその内容物に関しては、岩本氏の内容をかなり参考にさせてもらった。

 

2.最低10km走る

今回出場したレースは第25回かすみがうらマラソンである。17km(実際には16.5km付近)に2時間15分の関門が設けられている。スタート時の混雑で10分タイムを失うとすると、実際の残り時間は2時間5分となるので、関門までキロ7分半ペースで走る必要がある。

 

関門を通過しないと完走の権利すら与えられないので、練習では最低でも10kmを7分ペースで走れるようにした。マラソンでは2倍の法則があるらしく、一度に走れる距離の2倍までは本番で走れるというものである。経験上、これは自転車にも当てはまっていると思う。

 

ちなみに「30kmの壁」という表現があるが、これはド素人ランナーには存在しない。ペーシングにもよるが、周囲の様子をみた限りでは20kmの壁ならある。

 

準備不足とそうでないランナーの違いは、こちらのサイトで上手く表現されている。

「金哲彦コーチに聞きました 誰でも楽しくフィニッシュできる秘訣、教えます。」

 

3.科学の力に頼る

科学の力とは、わかりやすく言えばドーピングと装備である。ドーピングとは、運動能力を向上させるために禁止された薬物等を使うことを指す(日本アンチ・ドーピング機構)。ここでは禁止されていない薬物等の使用で競技力を向上させる可能性のあるものを取り上げる。

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一般的に入手可能なアイテムとしては以下のようなものがある。

 

 

マラソン用に新たに調達したのはL-グルタミンとshotz(カフェイン入り)である。shotzは濃厚な液体でのどごしが悪いため、好き嫌いがあるだろう。

L-グルタミン、OS-1パウダーの具体的な効能に関しては、岩本氏の本を参照されたい。科学的にみて効きが怪しいものもあるが、効くと信じることで効果が発揮されることもある。

 

けいれんは滅多に起こさないが、保険として漢方薬を持っている。どこかのサイトで、トライアスロン芍薬甘草湯の袋が散乱していたという記述を見かけた。酷暑レースでは特に効果的かもしれない。

 

カフェインは持久力を高めるという指摘があるため、以前はドーピングのリストに入っていた薬物である(競走馬では禁止)。エネルギー補給も兼ねてカフェイン入りのshotzを要所要所で摂取した。レース中の効果を少しでも高めるために、レース前はカフェインを控えめにした。

 

なお、カフェイン使用には脱水リスクが伴いそうだが、運動中はそんなことないという指摘がある(良いトレーニング、無駄なトレーニング 科学が教える新常識)。個人的な経験からは、カフェインを多めに取ると胃腸の調子が悪くなる時があるので、長時間レースでは逆にパフォーマンスを落とす要因にもなる。

ところで、上記リストにはロキソニン等の鎮痛剤が入っていないとの指摘があるかもしれない。倫理的な観点から服用しないのではない。本来あるべき痛みをカットして更にダメージを深めて修復にかなりの時間を要してしまうリスクと、空腹時摂取の副作用により胃が荒れてレース後の補給がおろそかになるリスクがあるため、個人的には使用していない。

 

欧州ロードレースで活躍していた土井雪広選手は、他の多くのレーサーと同様に「ペインキラー」と呼ばれる薬物を連用していたことを示唆しており、「飛ぶように走れる」反面、そのせいで胃が荒れて食事を取るのが大変だったことがあると、自身の著書で述懐している。なお、P・Rと推定される選手がラルプ・デュエズで勝った時のくだりを知り合いの薬剤師に読んでもらったところ、その薬物はソセゴンやペンタジンの可能性があると指摘している。自転車情報サイトではトラマドールの使用が蔓延していたとの記事もある。

 

同薬剤師にマラソンでのロキソニン使用について意見を求めたところ、「別にいいんじゃないの? でも腎機能が落ちるからね。一時的におしっこ出なくなったりとか。薬を乱用してもいいことは何もないわよ。クスリを反対から読むと何? そういえばクリニックの爺さんが(以下略)」とのことである。

 

30kmあたりに私設エイドを設けてロキソニンを置いたら、何%くらいのランナーが飲んでいくのだろうか?

 

脚はそこそこ大丈夫だけど全身疲労感が凄い時はどのような対処法があるか。1玉3000円ぐらいするOO清心丸のような漢方を4分の1にしてオブラートなどに包んでおき、消耗しきってしまう一歩手前で摂取する。するとじわじわ身体が熱くなるのを感じるかもしれない。漢方は作用機序がよくわからないところがあり、確実に安全とは言えないが1つの手段として考えられる。

 

取ってもいない薬物のことを長々と書いたが、装備に関してはCW-Xのタイツ等がある。私はCW-Xレボリューションを使用したが、履いていない時に比べて膝や大腿四頭筋へのダメージが抑えられるという感覚がある。未読ではあるが、中村氏の『練習ゼロで完走できる非常識フルマラソン』には装備について詳しく書かれているようだ。

今回はアシックスのニューヨーク(厚底)で走ったが、岩本氏は厚底シューズを全く推奨していないので、これは今後の検討課題である。

 

翌日から仕事がある市民ランナーの場合、リカバリーにも気を遣う必要がある。食事以外で効果があるのは以下になる。

 

 

ニーは不思議と効く(そして高い)ので頻繁には摂取しない。レース当日は階段で脚全体の痛みでギクシャクしていたものの、翌日には脚全体に筋肉痛はあるが普通に階段を登り降りできるまでには回復した。また、ここで述べることは適切ではない薬物を用いて、回復を早めるという手段もある(医療従事者には割と良く知られている可能性あり)。

 

健闘はしたものの怪我をしてしまった場合には、ボディビルダー山本氏の記事が参考になる。「ケガをしたときの治療法まとめ」

 

4.補給を怠らない

岩本氏の本では「マラソンとは食べるスポーツである」という見出しがある。自転車乗りにとっては何の不思議もないが、実際のレースとなるとついつい補給を怠ることがある。初心者であればあるほどレース時間が長く、体内の筋グリコーゲンが枯渇した後の距離が絶望的となる。ハンガーノックに陥らないようエイド毎にバナナ等を補給する方が望ましい。

 

実際にはエイドでバナナをおよそ5本分、あんパン1個、ポーチのミニ羊羹2本、shotz2本などをレース中に補給した。レース終盤に少し脚が回復したのはこまめな補給によるところが大きいと思われる。

 

かすみがうらマラソンでは、塩・飴・梅干し・たくあん・おにぎり・シュークリーム・酢ダコさん太郎など私設エイドからの供給が豊富だ。全種類コンプリートはしていないが、ありがたく頂いた。

 

5.根性をみせる

最後は精神論である。35km地点で残り7kmだと思えば、いつものジョグのつもりで走れる。かもしれない。レースでは脚全体、特に足底の痛みに耐え続けていたら、徐々にアドレナリンが出てきた覚えがある。興奮しても痛いものは痛いが。目標達成に可能性が残されていればなおさら頑張れる。ただし、脚に深刻なダメージを受けている場合やハンガーノックに陥っている場合は、根性ではどうにもならない。

 

ゲームのことではあるが「ダービーインパクト」というスマホアプリがなかなか面白い。競走馬の能力を表す「スピード」「スタミナ」「気性」「根性」などの項目があるのだが、「根性」が高いと競り合いに強くなる。こういう数値化しづらい能力が意外と重要だったりする。

 

上記のことを意識したところ → かすみがうらマラソンの結果

 

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参考文献