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GoldenCheetahのPMCにおける計算式

パワー解析ツールのGoldenCheetah(以下GC)を使い始めた。

 

GCで疲労度を数値で管理できるPMC(Performance Management Chart:パフォーマンス・マネージャー)という便利なチャートがあるのだが、そこに表示される数値の意味がよくわからなかった。計算式がわからなくても「じてトレ」情報等でGCを活用することはできるが、納得感を得るためにPMCの数値がどのように算出されているのか調べてみた。

 

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       出所:GoldenCheetahのPMC(表中の数字は筆者が加筆)

 

PMCで表示される数値は以下の3つである。

 

・  ATL(Acute Training Load:短期トレーニング負荷、ピンク線)

・  CTL(Chronic Training Load:長期トレーニング負荷、青線)

・  TSB(Training Stress Balance:トレーニング・ストレス・バランス、緑線)

 

ベースとなる数値はTSS(Training Stress Score:トレーニング・ストレス・スコア)である。

 

計算式は以下のようになると考えられる。『パワー・トレーニング・バイブル』等に数式が載っていたわけではないので、実際の計算式は違う可能性がある。

 

ATL ={前日のATL×(14−1)+本日のTSS×2}/(14+1)

CTL ={前日のCTL×(84−1)+本日のTSS×2}/(84+1)

TSB = 前日のCTL – 前日のATL

 

ATL及びCTLの計算式のロジックは「指数平滑移動平均線の重要性」を参照されたい。

 

ATLを例に取ると、具体的な計算は以下になる。

 

6月22日(左から3番目)において、前日のATLが8.6、本日のTSSが181とする。

ATLのNは14(日間)なので、

 

ATL ={8.6×(14−1) + 181×2}/(14+1)

= 31.58

 

となる。

 

翌日の6月23日は練習をしなかったことから、前日ATLが31.5、本日のTSSは0なので、

 

ATL ={31.5×(14−1) + 0×2}/(14+1)

= 27.3

 

となる。

 

『パワー・トレーニング・バイブル』によれば、ATL及びCTLでは指数加重移動平均が用いられるとの記述がある。指数加重移動平均では、現在に近いデータほど重み付けがなされて数値がはじき出されると理解できよう。なお、14や84は過去何日間という日数を表しているが、TSSの重み付けからすると、数値に大きく影響を及ぼすのは、ATLは過去7日間、CTLは過去42日間(6週間)であることが察せられる。

 

本日の練習と7日前の練習が同程度の負荷で行われたならば、本日の練習の方が現在の疲労に影響を及ぼすことは容易に理解できる。ただ、疲労の蓄積という観点からみると、7日前の練習も現在の疲労にいくらか影響をもたらしている。計算式のロジックをあたると、直近7日間または42日間だけではなく、過去全ての期間の負荷が平均値に含まれていることがわかる。

 

数式の背景を探ると、ATLやCTLの数値に納得感が得られる。とはいっても、日常生活の負荷やママチャリ通勤の負荷が反映されるわけではないので、数値に囚われ過ぎるのは良くないだろう。また、私の場合はパワーキャル(心拍基準)でTSSを測定していることから、データそのものに若干不確かさがある点に留意する必要がある。ちなみに、上記チャート画像の6月25日(一番右)の数値はフットサルを1時間ほどプレーした時のTSSが基になっている。

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